取組実績
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行動基準
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優良事例集
理念
平安の都・京都
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794年、永遠の平和と安寧への祈りをこめた都が京都に誕生しました。平安京です。
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以来、千二百有余年、京都は「平安」を理想とし、その悠久の歴史の中で、山紫水明の美しい自然と、文化、芸術、産業、学問、宗教、それらの根底に連綿と受け継がれている市民の暮らしの美学、生き方の哲学を育んできました。これら京都の有する宝は、日本の宝、世界の宝ともいえます。
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文化による世界との交流と平和の実現を「世界文化自由都市宣言」で高らかに掲げ、平和を基調とした都市の営みを続ける京都は、絶えずその「宝」を磨き、輝き続ける世界でも稀有の都市であり、今なお国内外の多くの旅人をひきつけてやみません。
観光の意義
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「旅」とは、人に出会い、風景に出会い、心打たれる出来事に出会い、そして新たな自分自身に出会うこと…。人は「旅」を通して、気付き、学び、癒され、元気をもらい、成長し、人生が深く、豊かになります。
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また、人々の来訪は、地域に活気を与え、暮らしの支えとなり、働く人々や住民の幸せの向上をもたらすとともに、地域の文化や自然、まちなみと調和した魅力的なまちづくりが進展するなど、地域を次世代に維持・継承・発展させる原動力ともなります。
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そして,人と人とのふれあい、交流により、住民の地域に対する誇り、愛着が育まれるとともに、お互いの地域や国に対する理解が深まり、世界の平和、友好親善につながります。
京都観光と持続可能なまち
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京都はこれまでから、国内外の人々に「旅」を提供しつつ、こうした観光が持つ力を活かして、地域経済の活性化を図るとともに、地域の文化や景観、コミュニティの継承・発展に取り組み、また世界の友好親善に貢献してきました。
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しかし今、少子高齢化や生活様式の変化による文化の担い手不足、地域コミュニティの衰退、地球温暖化、災害等の危機の発生、そして観光客の急増等に伴う混雑やマナー違反など、様々な課題が京都の「宝」を支えてきた地域の暮らしに影響を及ぼしています。
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京都を持続可能なまちとするためにも、これらの課題を解決し、京都の「宝」に更なる磨きをかけ、将来に継承しなければなりません。
新たな京都の魅力の創出
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そして京都は、先人たちが築いてきた伝統を継承し、それらを保存・活用し、常に新しいものに挑戦する進取の精神と国内外の人々との多様な交流により、絶えず新たな「宝」を創造してきました。
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観光は京都の「宝」の消費者であってはなりません。これからも、誰しもが責任ある「持続可能な観光」に取り組み、京都を享受し楽しみ、交流を深めることにより高めあい、ともに新たな「宝」を創出していくことが重要です。
観光事業者、従事者等(観光に関する団体を含む)
地域とともに事業が持続的に発展していくための、地域活動への協力、観光客への質の高いサービス・商品の提供、災害等に備えた事業活動 等
観光客
京都をより深く味わい、楽しむための、地域のルールや習慣を敬った行動、環境にやさしい観光、京都の人々とのふれあい・交流 等
市民
京都に暮らす誇りをもち、かげがえのない京都の魅力を将来に引き継いでいくための、京都の歴史・文化の理解や自然・まちなみの保全への協力、観光客へのあたたかいおもてなし 等
策定に至った経緯
近年の京都観光は、外国人観光客の急増等により、一部の観光地の混雑や、文化・習慣の違いによるマナー違反等の観光課題が発生し、市民生活にも影響を及ぼす事態が生じていました。
こうした観光課題の解決に向けて取組を進めていた中、令和2年1月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、旅行需要が激減するなど、京都観光はかつて経験したことのない危機的な状況に陥っております。また、観光事業者のみならず、関連する産業や文化、芸術の関係者などに与えた影響も甚大で、観光がいかに京都の経済と雇用や地域文化の振興を支えていたかを、改めて認識したところです。
今後、市民及び観光客の皆様の安心・安全の確保を図りながら、一刻も早く京都観光を回復させていくことが必要ですが、それに当たっては、かつて観光課題が発生していた新型コロナウイルス感染症拡大以前の観光に戻すのではなく、観光客の皆様にも京都の魅力をしっかり味わっていただきながら、市民生活や地域文化をより重視し、市民の皆様がより豊かさを実感できる、地域に貢献する観光を目指していく必要があります。
観光事業者・従事者、観光客、市民の皆様が、お互いに尊重しあい、思いを一つにし、かけがえのない京都を未来へと引き継いでいくため、京都観光に関わる全ての皆様に大切にしていただきたいこととして、本行動基準を策定するものです。
なお、令和元年12月に京都で開催された「国連観光・文化京都会議2019」においても、観光と文化のより持続的な発展に向け、観光に関わる者の倫理意識を更に高めていくための行動規範の必要性について、その成果文書である「観光・文化京都宣言」にも掲げられています。